Monochrome Passage

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2010年 08月 02日

KV450番台のモーツァルト

まだ20歳台の頃、モーツァルトの一生の中で、一番充実していたのはいつか、ということを、
音楽を志していた仲間内で語ったことがありました。
半年くらいかけて、演奏してみたり、スコアをアナリーゼしたり、もちろんディスク(まだ
LPが大部分の頃)で全曲聴いたりしたうえで話し合ったところ、ほぼ全会一致となったのが、
1784年、ケッヘル番号でいうと450番台のあたりになります。
モーツァルトは28歳、ウィーンで成功を収め、充実した演奏・作曲活動していた頃で、作品
からは、「乗りに乗った」伸びやかな生命力があふれ出しています。ざっと曲名をあげると

KV448:2台のピアノのためのソナタ ニ長調
KV449:ピアノ協奏曲 第14番 ト長調
KV450:ピアノ協奏曲 第15番 変ロ長調
KV451:ピアノ協奏曲 第16番 ニ長調
KV452:木管とピアノのための五重奏曲 変ホ長調
KV453:ピアノ協奏曲 第17番 ト長調
KV454:ヴァイオリンソナタ第40番 変ロ長調
KV455:「愚民が思うには」による10の変奏曲 ト長調
KV456:ピアノ協奏曲 第18番 変ロ長調
KV457:ピアノソナタ 第14番 ハ短調
KV458:弦楽四重奏曲 第17番 変ロ長調 『狩』
KV459:ピアノ協奏曲 第19番 ヘ長調

KV454とKV455がちょっとかなですが、他は文句なしに傑作揃いですね。

当時はまだ、明治時代からの美学観や小林秀雄の影響にあるというか、モーツァルトでも、
どちらかというと不調期の、大仰でテンションの低い曲を、しんねりむっつり演奏するのが
正しいみたいなドグマがありましたので、「KV450番台のモーツァルト」というテーマで
演奏会をやったら面白いねと企みました。何曲かリハーサルなどしたのですが、諸般の事情で
お流れ。
その時の心持ちを思い出しながら再演したものをマスタリングしています。のんびりやって
いるので、いつ仕上がることやら・・・(^0^)。



この時のメンバーの半分以上は、そのまま音楽で生活をしています。定年で仕事をリタイア
したら、また集って、一部だけでも演奏会したいものです。
それまでみんな頑張りましょう。

by kv492 | 2010-08-02 23:55 | 音楽/映画/演劇


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