カテゴリ:書物( 2 )


2009年 08月 20日

主語がない

最近読んで、面白かった本です。

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学生時代、三上章著の「象は鼻が長い」で日本語の不可思議さに目を開かされて以来、日本語関連の研究書は好きで、いろいろ読んできました。
要は、日本語には、欧米語の文法で教えられるような「主語」はない、という理論です。
三上章氏のような問題提起はよいのですが、だんだん先鋭(過激?)化して、「主語廃止論」のようなものまで出てきているのにはいささか辟易としていました。だいたい、英語にだって仮主語(例えば、 It rains の it や Thera is ...... の there)のようなものもあるし、それらとどう違うのか。なかなか理路の整った本がありませんでした。
この月本洋氏の本は、もちろんまだ仮説ですが、とても筋の通った説明と思いました。脳科学の成果も踏まえて、言語-認知-身体の関連性を冴えた手さばきでリンクさせ、日本語で主語が省略される頻度の高いことを説明しています。とても納得させられました。

皆様もご一読、と言いたいところですが、真っ当な学術本で、それなりに前提知識がないと何のことやらになってしまうので、とっかかりの一冊と考えていただいた方が良いかも知れません。

ところで、某政党のマニフェスト、見事に主語がありませんでしたね。あれは、日本語の特性というよりも、あとで責任を取らされずにすむよう綿密に書かれた文章としか受け取れません。
そんなありさまで「責任!」と言われても・・・・。

by kv492 | 2009-08-20 23:55 | 書物 | Comments(2)
2008年 06月 19日

「地中海 I 環境の役割」読了

今日は久々にオフィスで打ち合わせ。今週は夏に近いような天気がつづいていたが、明日からはしばらく梅雨に逆戻りのようだ。
ようやく、プローデルの「地中海」第一巻を読み通した。私の素養では未消化なところだらけで、スタディしながら、何度も読み直さねばならないと思っている。
それにしても、アナール学派以降の歴史書って、刺激的で面白いものが多いな。歴史小説なんて馬鹿馬鹿しくて、暇つぶしでもとても触手が出ないが。
IIf_2008-06-15_008
(Leica IIf, Elmar 5cm F3.5 red scale, Ultra Color 100)
この赤エルマーは、「地中海」の初版が出たのと同じ頃の製造。

by kv492 | 2008-06-19 22:48 | 書物 | Comments(0)