2008年 05月 30日
今日はカメラ持ち込み禁止の客先と千葉方面へ。ぐずついた天気で、ひざの古傷が痛みだした。今日はシャッターを切ってないので、昨日の続き。 オットー・プレミンジャー監督の「歩道の終わる所」。1950年製作。 この作品、フィルム・ノワールとはいえ、ずいぶん暗い。 1950年といえば、赤狩りでハリウッドから逮捕者や亡命者が続出し始めた頃。さらには、テレビの普及に伴い映画の観客動員数が年に何10%の比率で減少し続けていた。オースリアからの亡命者であるプレミンジャーも、相当に不安を感じていたんだろう、たぶん。 代表作は、一般的には「黄金の腕」や「栄光への脱出」、個人的には「ローラ殺人事件」に「帰らざる河」(ティアニーとモンロー大好きなので)、1970年代までハリウッドで撮り続けて亡くなった、名匠のひとりだと思う。 ハリウッドは、この作品が撮られてから数年の間に、未来を支えるはずの有望な若手スタッフのほとんどを赤狩りで失い、黄金時代を支えたヨーロッパから亡命してきていた名匠たちが帰国、などあって、瞬く間に没落した。50年代後半以降のハリウッド映画って、黄金時代の面影がほとんどないものね、大ベテラン、大巨匠のもの(+一部のカルト的なもの)を除いて。 そういう意味でも、この作品は興味深いように思う。
by kv492
| 2008-05-30 23:59
| 音楽/映画/演劇
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