Monochrome Passage

kv492.exblog.jp
ブログトップ | ログイン
2013年 03月 06日

名女流ヴァイオリニストたち 5 - イダ・ヘンデル

 名女流ヴァイオリニストたち 5 - イダ・ヘンデル_a0062758_03547.jpg

ブラームス:ヴァイオリン協奏曲、チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
(ブラームス) Sergiu Celibidache / London Symphony Orchestra 1955
(チャイコフスキー) Sir Eugene Goossend / Royal Philharmonic Orchestra 1958

イダ・ヘンデル(Ida Haendel 1928?- ) も、ポーランド出身のヴァイオリニストです。
生年は、1923年とかいう説もあり、はっきりしないのですが、まあ本人が明言しないのだからしかたあり
ません。マルツィやヌヴーと同じくらいの世代なのは確かそうです。でも、まだ現役!です。
初来日は(おそらく)1998年、60代になってから。日本にいますと、レコーディングしていないと活動して
いないように扱われますから、70~80年代には引退したとまで言われていましたが、欧米のラジオ放送
では、たまに聴かれることがありました。90年代には、サイモン・ラトルとのコンビで評判になり、日本にも
その噂は聞こえてきました。そのサイモン・ラトルと同行しての来日、聴き逃すわけにはいかないと駆けつけ
ました。

ポーランド出身のヴァイオリニストらしく繊細、優美ですが、外向的な面も持っています。80年代まで
祖国に留まっていたウィウコミルスカと違って、早々と西側に移住したのが影響しているかも知れません。
上のディスクは、イギリスに活動の拠点を移してすぐの録音だったと思います。曲の出来のせいも
ありますが、ブラームスがなかなかの名演です(それにしても、チェリビダッケ、本当にいいサポート
しますね~)。



初来日のあと、覚えている限りでも、2004、2008、2009年に来日しています。80歳近くなり、技術的
にはさすがにあやしくなってきていますが、ますます音楽そのものになってきているような感じで、
演奏会ではしみじみと幸福な気持ちで胸が一杯になります。「八月の鯨」のリリアン・ギッシュみたいと
言っても言い過ぎではないと思います。

今年も来日し、今月、浜離宮ホールでリサイタルが開かれます。レコードなど聴いている暇があったら
聴きに出かけて下さい。全く別次元の経験ができますので。

by kv492 | 2013-03-06 23:55 | 音楽/映画/演劇


<< 名女流ヴァイオリニストたち 6...      名女流ヴァイオリニストたち 4... >>